ハンドベル初心者が最速で上達する練習方法|基本から応用まで完全解説
Olivia Carter
Published Jul 21, 2026
ハンドベル初心者が最速で上達する練習方法|基本から応用まで完全解説
クリスマスの時期になると、どこかから聴こえてくるあの澄んだ音色。ハンドベルに一度でも心を動かされたことがある人なら、「自分でも弾いてみたい」と思ったはずだ。でも、あの動きって難しそう、楽譜も読めない、そもそも何から始めればいいのかわからない——そんな不安を抱えて、踏み出せないでいる人が少なくない。
結論から言おう。ハンドベルは初心者でも十分に始められる楽器だ。コツさえ押さえれば、音楽経験ゼロの人でも驚くほど早く音が出せるようになる。この記事では、ハンドベルの基本的な持ち方・鳴らし方から、リズム練習の具体的な方法、アンサンブル練習のポイントまで、順を追って丁寧に説明する。
そもそもハンドベルってどんな楽器?
ハンドベルは17世紀ごろにイギリスでキリスト教の教会のタワーベルを何人かで技巧練習するために生まれた楽器で、正式名称をイングリッシュハンドベルという。その後アメリカで独立した合奏楽器として発展し、今では世界中のホールや教育現場で演奏されている。
ハンドベルは初心者でも簡単に音を鳴らすことができる楽器だ。イングリッシュハンドベルは基本となる演奏法を学ぶ必要があるものの、コツさえつかめばすぐに音を鳴らせるようになる。ミュージックベルはイングリッシュハンドベルと比べて軽量で、簡単に音が鳴らせる構造となっているので、身体の不自由な方やお年寄りでも楽しめる。
日本で広く使われているのは「ミュージックベル」と呼ばれるタイプ。ミュージックベルは1982年に日本で誕生した比較的新しい楽器だ。1本約100グラムで、片手で持って軽く振るだけで音が出るので、キッズからシルバー世代まで幅広い年齢層が気軽に鳴らすことができる。音程も安定しているため、音感に自信がない人でも安心して取り組める。
練習を始める前に揃えるもの
ハンドベル演奏前に準備するものとして、まずハンドベルを置くための机が必要だ。会議用に使う長いテーブルがあれば一番便利。そのままベルを置くと傷がつくので、できればスポンジか綿が詰まった布を敷くのがおすすめだ。
演奏者は必ず手袋を着用する必要がある。ブロンズ製のベルのキャスティング部分にはメッキがされておらず、水分や油分には弱く、錆の原因となってしまう。素手で触れると汗や油分が付くため、手袋でガードする必要がある。白の綿製で滑り止めのついたものを使用することが多い。
楽器をセットするときの順番も重要だ。ベルは音階の通りに並べる。できれば音の担当は音階にそって割り当てると演奏がしやすい。たとえばAさんがドとレ、Bさんがミとファというようにパートごとにまとめると、混乱が少ない。
正しい持ち方と基本姿勢
まず最初に覚えたいのが「持ち方」だ。ここを間違えると音が安定しないし、手首を痛める原因にもなる。
ベルのカップを上向きにして、胸の前で持とう。親指を立てて、残りの指4本で軽く握る。小指は添える程度でOKだ。演奏しない時は胸に当てておくのが基本となる。手に持つときは親指をハンドル(握る部分)に平行になるように添えて、あまりぎゅっと握る必要はない。
姿勢についても気を抜かないこと。棒立ちで手だけで打つのではなく、体・腕全体で打つイメージが大切だ。足にしっかり体重を乗せて、ローベル(低音)などは特に音に重みをのせて打つ意識を持とう。見た目が美しいチームは、腕の動きも揃っていてリズム感がある。それはつまり、一人ひとりの基本姿勢がしっかりしているということでもある。
音の鳴らし方|リング奏法の基本をマスターする
ハンドベルの練習で最初に取り組むべきは「リング」と呼ばれる基本奏法だ。リングはごくごく一般的なハンドベルの奏法で、クラッパーをキャスティングにぶつけることにより音を鳴らす。円を回すようにして鳴らすと、音的にも見た目にも美しくなる。楽譜に何も演奏法の指示がない場合も、通常はリングで演奏する。
具体的な動作はシンプルだ。ハンドベルを胸の前から少し下におろし、円を描くようにしながら打ち出す。このとき、手首のスナップをきかせて、クラッパー(ベルの内側の玉になっている部分)がちゃんと当たるように意識する。音が鳴ったらそのまま円を描くように上に回し、また胸元にもってくる。音を消すときは胸に当てて消す。
初心者の方は、まずしっかりと正しいリングの奏法を身につけることが先決だ。焦って応用奏法に手を出す必要はない。リングだけでも、打ち方や力加減によって音色が大きく変わる。ゆっくり丁寧に繰り返すことが、後々の上達を左右する。
リズム感を鍛える自主練習法
ハンドベルは音程の心配がいらない分、タイミングこそが勝負だ。大切なのはリズム感。演奏したい曲の音が出てくる出番でタイミングよくベルを振るようにする。手拍子や、ペンやペットボトルを持って、イメージトレーニングすると効果的だ。
楽器を手元に持っていない時間でも練習はできる。楽譜を見ながら自分の担当音に印をつけ、曲を聴きながら「ここで振る」というタイミングを体に染み込ませる。これだけで、実際に集まったときの反応速度がまるで違う。
速いパッセージを練習するときは、ゆっくりのテンポから始めてテンポを上げる方法で、正確さを優先して練習すること。また、メトロノームやクリックを使ってタイトなリズム感を養い、小節ごとに合わせる練習やカウントの共有が重要だ。
応用奏法にも挑戦してみよう
基本のリングが安定してきたら、少しずつ応用奏法も取り入れたい。演奏に表情が出て、曲全体のクオリティが一段上がる。
シェイク(Shake)
シェイクは、ベルを振り続けて連続して鳴らす奏法だ。ベルを振ることにより、クラッパーが前後に跳ね返ってキャスティングに当たり、音を短い間隔で何度も鳴らすことができる。ハンドベルは一度出した音を持続させることができないので、音を持続して鳴らしたいときはこのシェイクを使う。
プラック(Pluck)
プラックは弦楽器のピチカートやピアノのスタッカートをハンドベルで表現するときに使う奏法だ。ベルをマットの上に置いたまま、クラッパーを指ではじいて音を出す。ミドルベルだと「ポン」、ローベルだと「ボン」という音がする。
タワースイング(Tower Swing)
タワースイングは、タワーベルのうねりをハンドベルで表現する奏法だ。ベルを鳴らした後、前後にベルを振る。特にローベルで行うと、音がとても大きくうねる。視覚的にも映える技法で、ステージ映えを狙うならぜひ習得したい。
アンサンブルで合わせるときのコツ
ハンドベルは本質的にチームスポーツだ。メンバーそれぞれが担当の音を持ち、全員で協力し合って曲を奏でるため、メンバーが一人でも欠けると演奏が成り立たなくなってしまう。だからこそ、全員が揃ったときの練習を最大限に活かす必要がある。
事前に楽譜の自分の出番に色を付けてイメージトレーニングしておいて、さっと全員集合して練習すると2〜3時間で仕上がることもある。大切なのはリズム感。拍子を取りながら、自分の出番でベルを鳴らすことを意識しよう。
人数についても目安がある。5名で演奏すれば一人あたり4音の担当になる。メインの2音と残りの2音というイメージで、テーブルにベルを4本並べて両手で持ち変えれば十分こなせる本数だ。6名ならなおよく、7〜8人で楽に演奏できる。
ビデオ撮影でフォームをチェックすると改善が早い。また、譜割りの工夫として指導者や代表者は各奏者の負担を均等にする役割分担を工夫し、無理のない分担を心がけることも重要だ。
練習場所はどこを選べばいい?
ハンドベルの練習場所選びには、いくつかの条件がある。練習会場選びの一番のポイントは「音を出してもよいところ」であること。また、楽譜に書き込みながら練習することも多いため、長机があることが必要条件になる。本番は一列に並んで演奏するので、長い机で一列になって練習すると、本番のイメージもつかみやすい。
公民館や市民センターの貸し会議室は机も揃っていることが多く、費用も比較的リーズナブルで使いやすい。カラオケボックスも防音という点では優秀だが、スペースが狭い場合もある。都市部のマンションでの自宅練習は近隣への配慮が必要になるため、郊外の一軒家がある方は自宅練習も選択肢に入る。
ベルを傷つけないための注意点
ハンドベルはデリケートな楽器だ。扱いを誤ると音質が変わってしまう。ベルはとても高価なものだ。準備するときや片付けの際にはベル同士をぶつけないように気をつけよう。傷がついてしまうと錆や音が変わってしまう原因にもなる。
ハンドベルを落とすとキャスティング(ベルの心臓部)の中で割れたり、ヒビが入ってしまったりすると音程がずれたり、響きも割れてしまうので、安定した位置に置くことが重要だ。また、ベル同士が隣で当たらないよう、セッティング時から細心の注意を払うこと。クラッシュ音が入ると、せっかくの演奏が台無しになる。
初心者におすすめの練習ステップまとめ
| ステップ | 内容 | 目安時間 |
|---|---|---|
| ① | 正しい持ち方・姿勢を身につける | 30分〜1時間 |
| ② | リング奏法で音を出す練習 | 1〜2時間 |
| ③ | 楽譜の担当音にマーキング+イメトレ | 自宅で随時 |
| ④ | メトロノームを使ったリズム練習 | 30分〜1時間 |
| ⑤ | 全員集合してアンサンブル練習 | 2〜3時間 |
| ⑥ | 応用奏法(シェイク・プラック等)に挑戦 | 慣れてから |
ハンドベルの奥深さと、始めることの価値
ハンドベルは気軽に始められる導入しやすい楽器だが、この楽器を極めようとすればするほど奥が深く、メンバー人数の多寡や選曲によっては非常に高度な演奏技術が必要となる。その奥深さもまた魅力の一つだ。
だからこそ、初心者のうちから「上手くなりたい」という気持ちを大切にしてほしい。焦らなくていい。最初の一音が鳴った瞬間の感動は、どんな経験者でも覚えているはずだ。その感動をチームで積み重ねていくことが、ハンドベルの本質的な喜びでもある。
持ち方、リズム感、アンサンブルの呼吸——この三つを地道に磨いていけば、初心者でも必ず音楽として聴けるレベルになる。楽譜が読めなくても大丈夫。難しい音楽理論も要らない。まず手に取って、一音鳴らしてみることが、すべての始まりだ。